ここ最近、連日報道されている新型コロナウイルス。
非常に深刻な状況になっている世界で、少しでも知識があればなんとなく安心すると思い今回このブログで取り上げました。
知らないから怖いってことあると思います。
また、デマも最近続出し、ますます私達は何を信じたらいいのかわからなくなりますよね。
その前にまず、そもそもウイルスって何だろう?って思ったことありませんか?
「ウイルスと細菌の違いは?」
「新型コロナのほかにも怖いウイルスはある?」
「風邪に治療薬はないって本当?」
気になったので、専門知識のある方が発表している内容をまとめた記事を見つけました。
そこで、ニュースより深く理解するためにウイルスの基礎知識を、この場所を借りて記載していきたいと思います。
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目次
- 治療薬があるウイルス感染症は数種類のみ!
- 1. 実はマスクはウイルスや細菌を通してしまう
- 2. 目、鼻、口にウイルスがつくと感染するのに、手についても感染しないのはなぜ?
- 3. 粘膜にウイルスがついても、目を洗ったり、うがいなどですぐ洗流せば大丈夫?
- 4. 風邪、はしか、風疹、ノロウイルスなどは治療薬はない
- 5. 東京五輪の時期が危険
- 新型コロナウイルスの感染症の経過
治療薬があるウイルス感染症は数種類のみ!
「新型コロナウイルス対策による自粛はいつまで?」
「感染を診断するPCR検査を増やすことはできないの?」
といった報道が連日のようにされていますが、
「そもそもウイルスって何?細菌とどう違うの?」
といった問にすぐに答えられない人が多いはす。
そこで感染症専門医で
「KARADA内科クリニック」の佐藤昭裕院長に "ウイルスに関する基礎知識" を教えてもらった。
敵(新型コロナ)を知れば、感染予防をより強固にできるのでは!?
1. 実はマスクはウイルスや細菌を通してしまう
「まず、大きさが違います。細菌は 1~5µm(マイクロメートル)程度。顕微鏡で見える大きさです。ウイルスは 0.02~0.1µm(マイクロメートル)程度。ざっくり言うと、ウイルスは細菌の 1/10~1/50 くらいの大きさです」
ちなみに、一般的なマスクの網目の大きさは約 5µm だ。そんためスギ花粉(約 30µm)や飛沫(5µm以上)は防ぐことはできるが、ウイルスや細菌は通してしまう。
「そして、細菌は栄養さえあれば、自分で増えることができますが、ウイルスはほかの生物の細胞の中に入り込まないと増殖できません。宿主がいないと生きられないため、ウイルスは "生物ではない" と位置づけられています。
また、増殖の方法にも違いがあります。細菌は細胞膜の中に核酸(遺伝情報)がある単細胞生物です。その細胞が分裂してふたつになって、また分裂して4つになってと、2倍ずつ増えていきます。
一方、ウイルスには細胞膜がなく、タンパク質の中に核酸があるだけ。そのタンパク質が細胞の中に侵入して遺伝子を一気に複製する。だからウイルスは複製するスピードがとても速いんです。一説には一個のウイルスが24時間で100万個以上に増殖するともいわれています。そして、複製がある程度たまると、今度は細胞内から複製されたウイルスを放出して、またほかの細胞に侵入します」
ウイルスも細胞も同じく微生物と思われがちだが、構造や増殖の方法がまったく違うのだ。
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2. 目、鼻、口にウイルスがつくと感染するのに、手についても感染しないのはなぜ?
「皮膚の表面には角質という硬い膜があり、とても強いバリア機能があります。そのため、細菌やウイルスがついても細胞の中には入りません。
しかし、目、鼻、口、性器などの粘膜には角質がないため、病原体が侵入しやすいんです。ただし、皮膚に傷があるとその傷口からウイルスが侵入することはあります。」
ちなみに梅毒を引き起こす梅毒トレポネーマという細菌は、ワインオープナーの先のようならせん形をしていて、グルグル回りながら皮膚の中に入っていけます。ですから、梅毒は皮膚の接触によって感染することもありえます」
3. 粘膜にウイルスがついても、目を洗ったり、うがいなどですぐ洗流せば大丈夫?
「すぐに洗い流したから大丈夫とは言えません。洗い流せる場合もあるでしょうし、流せない場合もある。ウイルスが1個でもついていれば、感染のリスクはあると思ってください。ちなみに、食中毒を起こすノロウイルスは、最小18個で感染が成立するといわれいます。
一方で、粘膜にウイルスがういたからといって、すぐに感染するわけではありません。免疫が病原体を排除しようと働きます。体の中に抗体という武器を作って戦ってくれる。この抗体は、これまで体に侵入したことがあるウイルスについては、記憶してあるのですぐに使えますが、初めて侵入したウイルスには作るのに少し時間がかかる。だから、その間に発病してしまうことがあります。ちなみにはしか(麻疹)などは一度感染すると抗体を一生記憶しておけますが、インフルエンザには何回も感染することもあります。これはインフルエンザウイルスが毎年、微妙にマイナーチェンジしているために、体が同じウイルスだと認識できないからです」
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4. 風邪、はしか、風疹、ノロウイルスなどは治療薬はない
「めちゃくちゃ、たくさんありますよ。全体で約3万種。そのうち哺乳類と鳥類に感染するのは約650種。そして、われわれ医師が一般的に検査をするのは10種類ほど。その中で治療薬があるのはインフルエンザ、HIV、ヘルペス、サイトメガトロなどの数種類だけです。(普通の)風邪、はしか、風疹、ノロウイルスなどは治療薬がありません。基本的に患者さんの免疫力で治してもらうしかないんです。
では、なぜ、 "風邪薬" を出しているのかという疑問がでますよね。風邪などのウイルス感染症は熱が出て、喉が痛くなって、咳が出て、鼻水が出るなど複数の症状が現れます。そのためそうした症状を緩和させる薬を出しているだけななんです。治療薬を出しているわだけなんです。治療薬を出しているわけではありません。一方で、細菌には抗生物質という治療薬があります」
5. 東京五輪の時期が危険
「一番身近なのははしかです。はしかは空気感染(飛沫核感染)するため感染力が強く、抗体を持っていないとほぼ100%発症します。致死率は発展途上国で約3%、先進国でも約0.2%ととても高い。現在、世界的に大流行していて、WHO(世界保健機関)によると、すでに約44万人の感染者がいると発表されています。
日本固有のはしかは撲滅されているので、日本ではしかが流行するとすれば海外から入ってくるときです。例えば、東京五輪の時期などが危険。はしかは予防接種を受けていれば心配する必要はありませんが、受けていない人がいるが問題です」
はしかワクチンの定期接種は1978年から始まった。そのため1977年以前に生まれた人の多くは、ワクチンを打っていない(ただし、自然感染して抗体を持っている場合はある)。また、1978年から2005年の間も1回接種だったので、十分な免疫がついていない可能性があるという。
「また、風疹も一昨年からはやっています。風疹は成人なた一般的に軽い症状だけで治りますが、妊婦さんが風疹に感染すると、その子供が障害を持って生まれてくる可能性が高くなります。」
実は今、風疹の予防接種を受けていない1962年~1979年生まれの男性に対して、自治体が風疹の抗体検査と予防接種が受けられる無料クーポンを配っています。
そして、この予防接種のいいところは、今は風疹単独のワクチンは少ないので、ほとんどの場合『風疹・はしか混合ワクチン』を打ってもらえるところです」
つまり、該当する年齢の人は、はしかと風疹の予防接種が無料で受けられるのだ。
「ちなみに新型コロナよりも、若い人が感染したときに致死率が高いのは細菌の感染症ですが、なかでも恐ろしいのが侵襲性髄膜炎菌感染症で、致死率は約20%。基本的に飛沫感染で、寮などの狭い空間での共同生活で感染のリスクは高まります」
侵襲性髄膜炎菌感染症は、症状の悪化が早いのが特徴で、発症後24時間~48時間以内に8~15%の患者が死亡する。
また、早く適切な治療を受けても10~20%の割合で壊疽により手足を切断したり、言語障害などの後遺症が残るという。
「昨年、ラグビーW杯の時に観戦で来日した外国在来の方が発症して入院しました。こうした感染症も東京五輪では注意したほうがいいでしょう。スタジアムなどで観戦する人は、クリニックだと2万から3万円はかかりますが侵襲性髄膜炎菌感染症のワクチンを打った方が安心できると思います」
新型コロナよちも危険なウイルスや感染症はたくさんある。そうした病気にかからないためにも、正確な知識をもっておいてほしい。(週プレ2020年3月号より)
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新型コロナウイルスの感染症の経過
- 感染から約 5 ⽇間(1〜14 ⽇間)の潜伏期を経て、
- 感冒様症状(発熱、咳、喀痰、咽頭痛、⿐汁等)、倦怠感等が出現し、
- ⼀部の患者では嘔吐、下痢などの消化器症状を呈することもあり、
- それら症状が⽐較的⻑く、約 7 ⽇間持続する
という特徴があります。
特に倦怠感については
- 発熱(体温)がそれほど⾼くないのに倦怠感が強いことがある
という特徴もあります。
また、普通感冒(かぜ)やインフルエンザ、急性胃腸炎(ノロウイルス感染症など)では発症から 3〜4 ⽇⽬までをピークに改善傾向に転じるのが⼀般的ですが、新型コロナウイルス感染症ではそれらよりも症状が⻑く経過するという点で異なります。
さらに,症状が 7 ⽇間前後続いた後に、次のような経過をたどります。
- 約 8 割の患者は、⾃然に軽快して治癒する
- 約 2 割の患者は、肺炎を合併する.特に、⾼齢者や基礎疾患がある場合は肺炎を合併しやすい
- 肺炎に進展した患者のさらに⼀部が、重症化して集中治療や⼈⼯呼吸を要する。
普通感冒、インフルエンザ、急性胃腸炎のいずれも、肺炎等の⼊院を要する状態に⾄ることは⽐較的稀です。⼊院を要するような肺炎を約 2 割という⾼い確率で合併するのが、新型コロナウイルス感染症の特徴です。(一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会 新型ことなウイルス感染症資料より抜粋)